僕は影を見捨てない人間になりたい
(ネパール山岳地帯:農村被災地域でも前向きに暮らすお母さん)
こんにちは。杉谷遼です。
前回は「社会問題解決」を自分の人生の目標にしていこうという決意を書きましたが、
今回はより具体的に僕が途上国と言われる地域で見てきた光と影の影の部分について書いていこうと思います。
目次
1)タイの物乞いとの出会い
2)インドの不可触民との出会い
3)途上国の光と影
4)影を見捨てない人間になりたい
1)タイの物乞いとの出会い
最初に途上国の影を見たのは初めての記事でも書いたように、中学生の時に訪れたタイの物乞いでした。
当時、発展真っ只中にあったタイは高層ビルの建設、完成が続く一方、
街には多くの物乞いの人々があふれていました。観光客だとみるや否や、
手を出し金をくれと全くわからない言葉で詰め寄ってきます。
子供ながらその人々の放つ負のオーラと絶望感に耐えられず、
足早にその場から逃げ去ってしまいたい衝動にかられました。
しかし、その場で一緒にいた母親は「これが世界の広さ、目を背けてはいけない」
とでも言わんばかりにゆっくりと歩くので、自分もその現実を直視しました。
病気や栄養失調で動けなくなった子供を見せ物にして物乞いをする母親、
障害や傷病で手足がないことをこれでもかと見せてくる男性、
今でもあの光景は目の裏に焼き付いています。
2)インドの不可触民との出会い
タイでの経験もあり、それから訪れたネパール、カンボジア、ベトナム等でも
同様の経験をしましたが、その度に世界には大きな影があると認識するものの
耐性が出来てきたためか、当時のタイでの経験ほど大きなショックを受けることはなくなっていました。
しかし、その中で昨年数ヶ月間インドのコルカタに出張している際に
インドの不可触民の人たちと周囲の人々との関係を目の前にした時、大きな衝撃を受けました。
インドでは法律上カースト制度は禁止されていますが、現在でも人々の生活、
とりわけ仕事や結婚といった中心的な部分を支配しており、カーストが違うから
そんな仕事は出来ない、カーストが違うから今の彼氏と結婚は出来ない等の言葉を
現地のスタッフからも聞きました。
不可触民とはそのカーストの階級の中にすら位置しない、最低層の身分の人々です。
彼ら彼女らには仕事があったとしても排泄物の清掃等、誰もやりたがらないような仕事が割り当てられ、
仕事にすらつけない人々も多数いました。
そんな人々は路上生活を強いられることも多く、バス停やテナントが入っていない物件の前等で細々と暮らしていました。
そこで一番衝撃を受けたのは、周囲の人々が不可触民の人々をいないものとして扱っていることでした。
寝床にしている毛布の上に平然と土足で立ち入る、
お金を恵んでもらうための小さなカゴを蹴り飛ばしても振り返りもしない
そんな光景を目の前にして、ここには完全に断絶されてしまった世界があると感じました。
3)途上国の光と影
インドは現在発展の一途を辿っており、経済成長も著しい国です。
IT人材が豊富なこと、英語話者も多いことから今後間違いなく中国とともに世界の中心になっていく国の1つです。
そんな経済成長の影には人とも思われない不可触民の人々が取り残されていくという現実があります。
タイにしても同様です。首都バンコクは今や東南アジアで最も大きな経済都市の1つです。
しかし、昨年訪れた際には、高級ホテルの横の塀で覆われた空き地から、物乞いの人々が出てくるのを目撃しました。
今でもそのような人々が残っていること以上に、塀を作りそのような現実が表からは見えないようにしていたことが衝撃でした。
「国の発展という光の中で、臭いものには蓋をするような形で影の部分を隠している」
そんな現実が途上国には沢山あります。
今の日本が完璧かと言われれば全くそんなことはありませんが、
途上国の現実と比べれば抱えている問題の数、大きさはまだ軽度であると考えています。
だからこそ僕は途上国の影に挑戦したいと思っています。
※日本の社会問題に取り組まなくても良いという趣旨ではありません。個人として途上国の問題の方が重要だと考えているという個人の見解です。
4)影を見捨てない人間になりたい
僕は今まで途上国というところには問題も沢山あるけど、その分良いところもある、
だからこそその良い部分を一緒に光らせられるようにしたいと考えて活動してきました。
しかし、その活動の過程で見てきた現実を一旦置いておくことは出来ない自分がいることに気づいてしまいました。
だからこそ、今後僕は途上国の影で苦しむ人々を見捨てずに、少しでもその人々を苦しめているシステムや根源に立ち向かっていきたいと思っています。
光を見続けてきたからこそ考えられる視点で影を見る、そこには何か違うものが生まれるのではないかと自分は考えています。
「One more smile, one less pain」
という言葉を自分は大切にしていきます。
誰かの笑顔を増やすために、誰かの苦痛を生んではいけない
だからこそ光の笑顔を増やしながらも、影の涙を減らせるような世界のために活動していきます。
今回も記事を読んでいただきありがとうございました。
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