杉谷遼 活動ブログ:世界をより良い場所にするために

社会課題解決を通して世界の不条理を減らすために活動しています

退職、転職のご報告

f:id:ryohsugitani:20191220201651p:plain


こんにちは。杉谷遼です。

1か月ほどブログの方の更新が出来ていなかったのですが、実は退職と転職の手続きにより非常に忙しくしていたためです。今日はその報告をさせていただきます。

※全文は長文になります。

 

12月8日をもって私、杉谷遼は株式会社マザーハウスを退職し、NPO法人very50へと転職することになりました。

 

現在、早速ではありますがvery50での最初のプロジェクト(詳細は後述します)を無事に終え、11月中旬からの退職、転職、渡航、プロジェクト参加という怒涛の日々が終わりました。3日後からもう1つのプロジェクトが始めるため、現在はカンボジアシェムリアップで羽を伸ばしているところです。

今回はマザーハウスを退職するに至った経緯とvery50に就職するに至った経緯をブログで公開させていただきます。少しでも多くの方に理解していただき、今後とも応援していただければと思っています。

 

目次

1)本当にやりたいことは何かに気付くきっかけ

2)実行、教育、表現

3)「世界の不条理に挑戦するリーダーになる」

 

1)本当にやりたいことに気付くきっかけ

退職の最初のきっかけに出会ったのは、遡ると今年の3月インド・コルカタでの出張滞在中でした。ファブリックマザーハウスというブランド(現在はリブランディングをしてe.となっています)の立ち上げに関わっていたことをきっかけに、生産地への出張というチャンスをもらった僕は、目の前の仕事に集中しながら初めて訪れるインド・コルカタという街を楽しんでいました。

東南アジアは何回も訪れたことがありましたが、それの比にならないほどエネルギーに溢れ、宗教色が強く、あふれ出るスパイスの匂い、本当にすべてが刺激的な日々でした。そんな国で途上国の手仕事という可能性に光を当てようと働く日本のスタッフと自分たちの環境を少しでも変えようと仕事に誇りをもって頑張る現地のスタッフの中で毎日を過ごし、国際協力の現場で仕事がしたいという目標を持っていた僕にはすごく刺激的で満足感もある時間でした。しかし、街を歩くたびに小さな違和感が僕の中に残りました。それは仕事にもつけず、人としても扱われず、ただただ施しのみで暮らすUntouchable(不可触民)の人々でした。

この違和感を大きくさせたのが帰国後に参加したMHC(マザーハウス副社長の山崎さんがゲストを呼んで話を深めていくゼミ形式のイベント)でした。この回のゲストはNPO法人かものはしプロジェクトの村田さんだったのですが、会場からの質問でこんな質問が飛びました。

 

マザーハウスのやられている途上国支援とかものはしのやられている途上国支援はどんなことが異なると思いますか?」

これに対する山崎さんの回答

マザーハウスは途上国の光、つまり可能性を信じ続けて、そこにスポットライトを当てていくことをやっている。それに対してかものはしさんはどうしてもぬぐいきれない闇の部分(人身売買等)と戦い続けている。」

 

これを聞いたとき、自分の中の違和感が見事に言語化されたと感じました。ずっと国際協力というものを仕事にしたい、現場で現地の人と関わりながら仕事がしたいと思っていた中で、マザーハウスという選択肢を選び、目標にしていた現地での仕事に関われた、それなのにどこか違和感が残ったのは、途上国の光と闇をひとまとめにとらえていたからだったのかと気付きました。その上で、僕は以前のブログにも書いたのですが「途上国の闇」と戦い続けたいと心から思いました。

丁度その直後に仕事のリスクと人間関係に悩み、適応障害を発症しており、休職期間を頂いたこともあり、「途上国の闇」に対して僕が本当にしたいことは何かをじっくり考えることができました。

 

2)実行、教育、表現

その休職期間中、今までの人生の中で何が楽しかったか、何にやりがいを感じたのか、そこから何がわかるのか色々と思い出しながら考えていました。

その過程で大きく分けると3つのやりがいを感じていることに気付きました。

1つ目は実行のやりがいです。

自分の頭で考えて自分で物事を進めていく。目の前のことに夢中になりながら日々鍛錬を続けて結果を出すことから得られているやりがいは僕の中でとても大きいことに気付きました。サッカー、勉強、テニス、どれも毎日が一瞬で過ぎていくほど夢中になり、日々何が出来るかを考え続け、それをやり抜いて自分自身をレベルアップさせていく、そんなやりがいは自分の人生の大きな特徴だなと思っています。

2つ目は教育のやりがいです。

思い返せば誰かに物事を教えることは僕にとってとても楽しいことで、常に関わっていたいことでした。中学の時は友達に、高校では近所の中学生に勉強を教えに行っていたこともあります。大学に入ったら当然のように家庭教師や塾の講師をアルバイトとしてし始めていましたし、勉強に限らずテニスや仕事を後輩に指導することも本当にやりがいを感じていました。この教育マインドはおそらく自分自身が中学生の時に言われた「能力が高い人は社会や周りの人に還元する必要がある」という言葉に影響を受けているようにも思います。しかし、今はそういう奉仕の精神に限らず、人が変わる瞬間やその人が気付いていなかったことに気付く瞬間に対して、非常に興味と楽しさを感じています。教育のやりがいは実行のやりがいと並ぶほど、僕の中では重要なやりがいになっています。

3つ目は表現のやりがいです。

これはあまり周りに見せてこなかったのですが、実は僕は絵を描くことやデザインすることに非常に興味があります。他にも今の気持ちを言葉にして人に伝えること(歌詞や詩的な文章)もとても好きです。こういったアーティスティックな部分、クリエイティブな部分は思い返せばずっと陰ながら続けてきたことです。フリーランスWebデザイナーをしていたり、ロゴやポスターのデザインをしたり、家では気分次第でしたが美しいと思う景色を描いたり、今の気持ちをのせた言葉を書きなぐってみたり、すごくロジカルで真面目な人間に見える一方で、こういうクリエイションの世界は常に僕を惹きつけて、心を支えてくれたやりがいです。

 

3)「世界の不条理に挑戦するリーダーになる」

そんな3つの実行、教育、表現といった自分の軸を決めたとき、very50代表の菅谷さんから今度MoGをカンボジアでやるから休職中で時間があるなら来てみればと言われました。

‐‐

MoG(Mission on the Ground)とは、日本の高校生を中心に大学生、社会人を1つのコンサルティングチームとしてトレーニングし、新興国の現場で必死に戦うSE(Social Entreprenaur 社会起業家)の抱える経営課題に取り組むというプログラムです。

新興国の現場でどうすればその起業家の事業が改善するのか、データ調査や試作品の作成からプロモーション戦略の立案や企業のブランディングといった多種多様の本気の提案をしていく学生にとっては教育プログラム、起業家にとってはアクセラレイトプログラムになっているものです。

以下very50のHP

http://very50.com/

‐‐

ちょうど、「途上国の闇」をもう一度見に行きたいと思っていたため、自身の調査と合わせてカンボジアへの渡航を決めました。

そんな経緯で見学をしに行ったMoGでしたが、高校生の成長スピード、目の前のものをやりきる集中力を目の当たりにし、いつの間にか自分自身も高校生にお店のディスプレイはこうやって作るんだよ、商品を作るときに気を付けることはこういう部分だよと自分自身の経験から様々なことを教えていました。

そして高校生だけでなく、自らの事業を良くしようと必死になる起業家も魅力的でした。仕事がなく子供を学校に行かせられず貧困から脱却できない母親たち、障がいを抱えていることで社会から断絶されている障がい者たち、そんな新興国の勢いから切り離されてはっきりと残る闇に対して戦うことを決めて、事業を行っている起業家たちを見て、本気で彼ら、彼女らの事業が成長する手助けをしたいと思いました。

そんな大きな刺激を受けたカンボジア滞在を終えて帰路につく中、自身の3つのやりがいのうちMoGは実行と教育の2つを見事に含んでいると思いました。そんな仕事が他にあるのかと少しは調べましたが、起業家の事業改善という結果に対する本気度、高校生たちを一人一人見つめ、彼らにとって本当の成長は何かと考える向き合い方を考えたとき、似ているプロジェクトはあるけどMoGに敵うプロジェクトはないなと思い、即刻転職を決意しました。

転職を決めて、もう一度僕自身のミッションは何だろうと考えてみました。

 

「世界の不条理に挑戦するリーダーになる」

 

途上国の闇以外にも、世界はたくさんの闇を抱えています。それは日本も同じです。それを「世界の不条理」とまとめました。

その上でそれに「挑戦」することを決意しました。

そして自らが率先して「実行」し、周りの人と向き合い、興味を持ってもらい、巻き込んでいき、その中で育てる「教育」を行い、多くの人が魅力を感じるような「表現」で関係のない人までも惹きつける、そんな「リーダー」を目指します。

 

そのために、「自立した優しい挑戦者を育てる」very50での仕事をメインとしながら、個人での調査活動、勉強会の開催、そして表現という面での個人のワークといった3つのやりがいに基づく活動も続けていきたいと思っています。

こちらのブログでの活動報告も「表現」の一環として続けていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

最後に、マザーハウスについて

9月からはvery50のプロボノとして休日を使って関わりながら、マザーハウスでは今までの経験をどう残していくか伝えていくかに主眼を置いて働きました。

9月からは辞めることを前提に働いていましたが、久しぶりに戻る店舗、お客様にお届けする商品たち、本気で仕事に向かい合うスタッフの中で仕事をするたびに、やっぱり自分はマザーハウスという企業が、ブランドが、商品が、スタッフが本当に好きだったんだなと実感していました。僕自身は自らのミッションのもとに、違う道を歩むことになりましたが、これからもマザーハウスの商品を買いたいし、マザーハウスを応援し続けていきたいです。

 

今回も記事を読んでいただきありがとうございました。

以下SNSもフォローをお願いします。

Twitter:@ryohsugitani

Facebook:Ryoh Sugitani