杉谷遼 活動ブログ:世界をより良い場所にするために

社会課題解決を通して世界の不条理を減らすために活動しています

表現の自由に見る多様性の根源的価値って何だろう

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(インド・コルカタのハウラー橋、河辺には多種多様な人々が集まります)

 

こんにちは。国際協力活動を行なっている杉谷遼です。

自分の生い立ちや決意についての記事が続いてしまっったので、

ちょうど良い事例もあったため、自分の考えを今回は書いていこうと思います。

テーマは「表現の自由」と「多様性」です。

 

「表現の不自由展・その後」が市長による展示内容への不満の対象になったり、

昨日には脅迫によって中止に追い込まれたということが報じられています。

詳しくは以下のニュースサイトよりご覧ください。

中日新聞https://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2019080402000069.html

 

今回、この問題の是非、政治的な良し悪しを論じる気は全くありませんが、

そもそも表現の自由って何で大切なんだろうということを多様性というワードから

深掘りしていけたらと思います。

 

目次

1)表現の自由は多様な社会のため

2)「多様性」が大切な理由って何だろう

3)対応力の源泉が「多様性」

4)現代だからこそ重要な多様性

 

1)表現の自由は多様な社会のため

今回、取り上げられている構図は、公権力や外部威力といった政治的な強い力や直接的な暴力の脅威という力と表現の自由がどのようにバランスを取るのかという構図です。

本来、力に屈することなく自由を突き通す権利が表現の自由ですが、今回この権利が十分に

守られなかったことが問題となった原因だと思います。

この表現の自由は、平和的な民主主義社会を創造していくために、活発な創造活動が行われるために

不可欠な権利としてその地位を確立したものと理解していますが、

もっと抽象的にまとめると、僕はこの表現の自由が守っているものはこの社会の多様性であると考えています。

社会が多種多様な価値観を認め、その多種多様な人々が生きずらい社会にならないように守ること、それが表現の自由の根底にある考えだと思っています。

 

2)「多様性」が大切な理由って何だろう

そこまで考えると、多方面で叫ばれている「多様性」を大切にしようといった活動と今回の問題は根底では同じことなのではないかと考えています。

そこで、もう一段階深掘りして、「多様性」ってなぜ大切なのかと考えてみたいと思います。

「多様性」ってなぜ大切だと思いますか?

多様な人々が多様な価値観を持つことを認められている状態はなぜ重要だと思いますか?

多様な生物が同じ生態系に存在している状態はなぜ重要だと思いますか?

 

いろんな答えがあっていいと思います。

その中でも僕は「多様性」が対応力、少し専門的な言葉を使うとレジリエンスの源泉になっているからだと考えています。

 

3)対応力の源泉が「多様性」

以前からですが、現代は特に多くのリスクを抱えています。

外交上のリスク、政治的なリスク、災害のリスク、人間関係のリスク等々

これらはこの世界が多面的で不確実で複雑で急速な変化をしているために生まれています。

(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguityの頭文字を取ってVUCAの時代と言われたりしています。)

そんな様々なリスクを抱えながら生活をしている僕たちは、全貌を把握できないリスクそのものを減らすことよりも、

リスクが問題化した際に対応できる能力、つまり対応力をつけておくことが重要だと考えます。

 

例えば身近な例で言えば、副業収入を持っておくことは収入源の多様性を確保することになり、

本業の倒産やリストラ等のリスクに対応する力のもとになります。

また、気候変動により生態系への影響が出た際に、様々な生物が存在した方が、生存する生物が増え、その後も生態系を維持できる可能性が高まります。

このことは生態系サービスの恩恵をあらゆる面で受けている人間にとっても他人事ではありません。

(例えば僕たちの食物を生み出している森林や河川はこの生態系によって維持されています)

今回の社会という大きな面で言えば、公権力や大きな力を持つ人々の意見以外を持つ人々が抑圧されて自由な表現、言論ができない社会というのは、

例えば世界的な枠組みで既定路線と大きな方針変更が起きた際に十分に対応できず、

経済的遅れをとってしまったり、外交上不利な立場に置かれたりという不利益を被る可能性があります。

また、この状態はデモの発生やテロのような暴力的手段に走る等、社会全体の崩壊へと進む非常に大きなリスクも抱えることになります。

 

このように、様々なリスクを抱えている現代においては、地球規模、社会全体、組織全体、個人単位といった各レイヤーで多様性を確保しておくことが対応力を維持し、外乱に対して強い状態を保つことが出来ると考えています。

 

4)現代だからこそ重要な「多様性」

リスクの多い現代だからこそ多様性が重要ということを書きましたが、

この多様性を創造、維持していくために重要なことが「つながり」だと考えています。

個人同士のつながり、組織同士のつながり、社会全体でのつながり、生態系とのつながり、

オンライン上でのつながり、不特定多数の人とのつながり

様々なつながり、つながり方があるのが現代です。

テクノロジーが進化し、全く人に会わずとも生活が出来る現代社会になっていますが、

新たな発見や出会い、そして手を取り合うこと、認め合うことが、

個人や組織、社会全体のネットワークを広げていき多様性を生みます。

現代のセーフティネットとしての多様性を見直してみてもいいのではないかと、

そんなことを考えて今回の記事を書きました。

 

 

 

今回も記事を読んでいただきありがとうございました。

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