杉谷遼 活動ブログ:世界をより良い場所にするために

社会課題解決を通して世界の不条理を減らすために活動しています

変化「後進国」日本

f:id:ryohsugitani:20200304204246p:plain

こんにちは杉谷遼です。

前回は現在の教育業界が市場経済で動いているという現場感から、本来教育とは未来へのBETから考えていくべきだという話を書きましたが、今回は教育にとどまらず「変化」というものに対して、どれほど日本が遅れているか、そしてその変化に対する遅さはどこから来ているのかということについて書こうと思います。

今回コロナウィルスの流行で、学校が一斉休校になったり、会社でのリモートワークが推奨されたりと多くの変化が起きました。しかし、連日のニュースではこの意思決定に対する批判が取り上げられ、リモートワークになった途端に生産効率が大幅に下がったりと、変化に対して非常に弱いという印象を受けています。

※政府の決定を支持する意図はありません。また政府に対する批判を非難するつもりもありません。その決定に対して順応出来ない今までのシステム構築に悪があったのではないかという内容です。

 

このような変化に対しての脆弱性はどこから来ているのか、僕の意見を書いていきたいと思います。

 

目次

1)高齢者国家の定めと変化への姿勢

2)日本を「後進国」にしている原因

3)日本を今一度、洗濯し申候

 

1)高齢者国家の定めと変化への姿勢

皆さんがご存知の通り、日本は高齢者国家になっています。日本の平均寿命は現在84歳に到達していると推測され、平均年齢は約49歳、東南アジアの新興国の平均年齢が軒並み20歳代なのを考えると、国家としてはかなり老齢になっていると思います。人口ボリュームで見ても団塊の世代が70代を迎えたこともあり、高齢者が全人口に占める割合は大きくなっています。

このような高齢者国家では、基本的に多くのビジネス、政治は高齢者向きになっていきます。高齢者をターゲットにした商品開発、販売促進が行われ、医療費、福祉という分野に国として力が入っていきます。

今回僕は、このような高齢者国家を責めるつもりは全くありません。高齢者向けのビジネス規模を大きくすることも必要ですし、国民の大多数が抱えている問題に対して政府として力を入れることは必然だからです。言うなればこのような動きは高齢者国家の定めと言えます。

その中で今回僕が問題視したいのは、変化に対する姿勢です。日本は世界的にも変化が非常に遅い国だと言われています。このことを言うと決まって、日本は高齢者国家だから仕方ないという声が聞こえてきます。本当にそうなのでしょうか?

確かに70-80代の方でスマホや最新テクノロジーを使いこなせている方は少ないと思います。これは年齢によって新しく受容できるものが少なくなってくるため、必然だと思います。しかし、このような方々が新しい技術はいらない、変わりたくないと言っているのでしょうか?変化が遅い原因は高齢者の増加にあるのでしょうか?

僕は違うと思います。

 

2)日本を「後進国」にしている原因

僕は高齢者ではなく、現状のシステムの中で甘い蜜を吸うことが出来る人が変化に対して脆弱な「後進国」日本を作り上げていると思います。

そこには年齢は関係ありません。今の大企業や政治システムの中で甘い汁を吸える人たちは現状に満足しているため、このような人たちが恐れるのは、今吸えている甘い汁が吸えなくなることです。そしてこの問題がより厄介なのは、この甘い汁を吸う人たち同士が結託していることです。

例えばUberという配車アプリを知っていますでしょうか。日本以外の国ではごく一般的になっている車を持っている登録者が隙間時間などでタクシーのように誰かをのせてお金を稼ぐことが出来るサービスです。利用料が元のタクシーよりも安く、どこにでも呼ぶことが出来るという利点があり、このUberの登場によって多くの国でタクシー業界が崩壊、Uberにとって代わられてしまいました。

しかし、元のタクシー運転手もUberの登録者になることでお金を稼ぐことが出来ますし、何よりも今までよりも安い利用料でタクシーを使うことが出来るようになった一般の人々にとっては非常に嬉しいことでした。言うなればUberの登場によって市場が崩壊したのではなく、適切な価値交換配分になったと言えるでしょう。今までの料金は言ってしまえば利用客から多くとりすぎていたということです。

このUberというアプリは残念ながら日本では利用できません。それはタクシー業界と政治の結託によって、Uberが入ってくることを国が拒んだからです。今の価格システムのまま甘い汁が吸えるタクシー業界と政治家にとっては、このような現状のシステムを崩壊させ、甘い汁が吸えなくなることは悪でしかないからです。

しかし、このことによって損をしているのは、僕たち一般市民です。Uberがあればもっと安くタクシーを利用できるにも関わらず、それをさせてもらえない。世界基準ではもっと安価に受けられるサービスを高く売りつけられる。変化を拒む「後進国」日本だからこそです。

 

3)日本を今一度、洗濯し申候

 これは幕末の志士、坂本龍馬の言葉です。僕は日頃から、現在の日本の状況が幕末に非常に似ていると感じています。江戸幕府という甘い汁を吸い続け、変化を拒むシステムの中で、海外の新たな技術や変化に驚き、日本の危機を叫ぶ幕末の志士たちによって江戸幕府は崩壊を迎えました。この状況が今の変化を拒む今の日本の状況に非常に似ているのです。

幕末当時よりも、僕たちは外界を自由に見ることが出来ます。そして選挙や言論の自由によってこのことを多くの人に広めることが出来ます。だからこそ、僕は明治維新のような革命ではなく、平和的に多くの人が声をあげることで「後進国」日本が変わっていくことを期待しています。

そのためには僕たち一人一人が政治に、社会に、世界に興味を持つ必要があります。今の政権はどんどんと強権を発動できる方向へと動いています。そして世界や社会はデジタル技術の普及により、急激に社会構造が変化してきています。このままでは、今の日本にいたのでは、この急激な変化の波に置いていかれてしまいます。

現に、コロナウィルスの影響でベトナムも全ての学校が休校になっているようですが、日常的にオンライン授業を取り入れているため、ほとんど混乱が起きなかったようです。これほど社会は急激に変化しており、日本は今の状態でもすでに置いていかれているのです。

今回のコロナウィルスの件だけでなく、今後も変化に対する姿勢が大いに問われます。変化することを拒むものは今の世界の中では汚れと同じです。洗濯することでその汚れをきれいさっぱり洗い流して、変化に対応できる国になるためにも、僕たちはもっと世界を見て、声を上げ続けなければなりません。これは普段、国際協力という世界に目を向けている僕でも感じる、日本という国に生まれた使命だと思っています。

皆さんもぜひ周りの人と一緒に考えてみてください。今回のコロナウィルスの一件はこのような変化を拒む体質を見直す良い機会だと思っています。1人1人の意識の変化によって日本を変える大きな波が生まれることを期待しています。

 

今回も記事を読んでいただきありがとうございました。

以下SNSもフォローをお願いします。

Twitter:@ryohsugitani

Facebook:Ryoh Sugitani