杉谷遼 活動ブログ:世界をより良い場所にするために

社会課題解決を通して世界の不条理を減らすために活動しています

全てが真っ暗になった2か月間(1)

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こんにちは。杉谷遼です。

前回の記事から1か月以上が経ってしまいました。この間、本業の方での情報発信がメインになってしまっていました。もしよければ、以下のプロジェクトで記事を書いていますので、ご覧ください。

WASH OUT!! PROJECT:https://note.com/washout
→洗浄ハンドジェル1本につき100円がコロナによって影響を受けている途上国などに寄付されるプロジェクトです。毎回現場で活動されている方をお呼びして、現状を知ってもらうためのトーク番組を行っており、そのアーカイブになります。

 

LiD(Leadership in Development countries):https://note.com/very50_lid

→大学生向けの新興国で活躍できる次世代リーダー育成プロジェクトです。現在第2期目を開催しており、毎週の活動記録や感想を書いています。

 

さて、今回間があいてしまったにも関わらず、書こうと思ったきっかけは、木村花さんのニュースです。真相はまだわからないものの、誹謗中傷があったという事実は変わりません。このニュースと一連の騒動を見たとき、1年前の自分のことを思い出しました。

(ニュースを見られていない方はこちらから)

 

このブログを書き始めるきっかけにもなったのですが、1年前僕は「適応障害」の診断を受けました。今まで本当に楽しくやっていた仕事にストレスを感じ、自分の周囲にもそのことが言えず、全てが真っ暗になった2か月間でした。

僕の身に起きたことは木村さんの10000分の1ほどの苦しみかもしれませんが、精神的に追い詰められ、その中で「自分が生きている意味」を問い直させられた1人の経験者として、記事にしたいと思います。少しでも、精神的な苦しみの中にいる人に対する理解が深まったり、誰かを精神的に傷つける行為を思いとどまることに繋がったら嬉しいです。

 

いつもとは異なり論理的ではなく、整理もされていない、多くの人にとって「読む価値のない」記事になる可能性も高いですが、少しでも今も苦しんでいるどこかの誰かの助けになるような記事になればよいなと思います。(長くなるので2回に分けて書きます。)

 

目次

1)自分が一番よくわかっている

2)次第に起きてきた身体の異変

3)弱くなれない苦しみ

 

1)自分が一番よくわかっている

僕が仕事にストレスを感じ始めたのは新しい部署に異動して1ヵ月半が経つ頃でした。自分が希望していた部署での仕事、そして社内での公募を通っての異動だったため、しっかりと価値を出していきたい、ここで大きなことをやり遂げるんだと意気込んでいました。

最初の3週間ほどは異動したてということもあり、部署での仕事の基礎的なことや、関わる方々への挨拶回りなど、これからの仕事に向けての準備が進むような感覚で、意気込みも、そしてやる気も膨らんでいきました。

しかしその後、徐々に仕事を自分で回し始めたあたりから、異変を感じ始めました。様々な関係者が関わりながら、それでいて会社の根幹を支える部署のため抱えるリスクも大きかったため、1つの見落とし、1つのミスが会社全体の命とりになるような仕事でした。もちろんその大きなリスクを一人で抱えているわけではありませんでしたが、それでも当時の感覚からすれば、非常に大きなリスクを抱えているという認識でいました。今までそこまで大きなリスクを抱えたことはなく、自分の中でも細心の注意を払いながら、そして意気込んでいた分、周囲の期待に応えようという思いで仕事に臨んでいました。

しかし、今思えば当然なのですが、新しい仕事でそう簡単に上手くいくはずもなく、細かい見落としやミスを何回も繰り返してしまいました。僕の中では、最大限の注意をしているつもりでしたし、ミスのたびに修正を繰り返していきましたが、ミスはなくならず、至らない点があまりにも多すぎると感じてきていました。

 

今振り返ってみれば、上司の方から頂いていたFBは的確で、それを基に修正を加えて、徐々に階段を上っている状態だったのですが、当時の僕は自分のミスそのものがなくならないことにとても神経をすり減らし、自分にイラつき、そして自己肯定感が下がっていってしまいました。

真剣に受け止めるほどでもない些細なミスでも気になり、自分自身が出来ないことを自覚しているからこそ、指摘を受けるたびに心をえぐられるような痛みを感じていました。

「自分が一番出来ないことを、ミスしていることをわかってる、でも何も成長できていない」

「だから自分はダメなんだ」

というネガティブなスパイラルに陥り、段々と仕事そのものにストレスを抱えていきました。

 

2)次第に起きてきた身体の異変

このような生活が続いて、真っ先に影響が出始めたのは睡眠でした。7時に起きているにも関わらず、夜の12時を回っても眠くならない、眠っても2時には目覚めてしまう、浅い睡眠で全く寝た気分になれない等の症状が出始めていました。

この影響で、仕事中に急に眠くなることも増え、その分ミスをしていることに気付かなくなるというネガティブのスパイラルを加速させてしまいました。

そして、睡眠障害の次に出てきたのが摂食障害です。だんだんと食べ物の味がわからなくなり、今までは大好きだったものもあまり美味しいと感じられなくなってきました。その影響で食べる量もどんどんと減っていき、久しぶりに会う友達にも少し痩せた?と聞かれることも増えていきました。

 

ここで一番つらかったことは、僕の仕事に対する考え方でした。僕は仕事に対してやりがいと自己実現を本当の意味で求めて、その一点のみで就職先を決めました。給与や社会保障という部分は、最低限あれば良いという考え方だったため、自分の中でそのような報酬として仕事を位置付けることが出来ませんでしたし、他の人に対しても仕事がつらいと吐露すること=僕自身の自己実現に向かっていくのがつらいと告白することのような気がして、吐き出すことが出来ませんでした。

 

こうして、段々と自分の中でため込んでいったもので、より症状は悪化してしまいます。オフィスにいるだけで息が上がったり、手が震えて、何かをすることが怖くて急に頭の中が真っ白になったりと、ほぼパニック状態に近かったです。

 

3)弱くなれない苦しみ

しかし、そこで僕は他の人に相談することが出来ませんでした。当時の僕にとって誰かに相談すること=弱いことになっていたからです。

昔から他の人には難しいと言われてきたことでも、自分の中で何とか乗り越えて期待以上の結果を出すということを繰り返してきました。このように今まで自分の進路もある程度の困難も自分自身の中で解決をして、前に進んできたからこそ、本当に苦しいとき、その弱い部分を受け入れてくれる人が誰なのかわからなかったのです。

職場の同期も、大学時代の友人も、そして家族にまでもいつの間にか僕自身の弱さを見せることが難しくなってきていました。家では押しつぶされそうなほどのプレッシャーを感じて、必死に誰かの助けを求めて休みの日は外に出ました。でも、誰かに会うたび、自分から打ち明ける前に釘を刺されるようなことを言われてしまいました。

「仕事楽しそうにやってるよね」

「新しい部署の仕事楽しんでそう」

全く悪意がないことは頭では理解していましたが、自分の弱さを出す機会を失ってしまい、結局頑張って作った笑顔で別れるということの繰り返しになってしまいました。

こうなってしまうと、八方ふさがりの状態になり、心が沈み、身体も限界の状態になりながら毎日を過ごしていました。幸いにも、最後の最後のところで持てる力を振り絞って上司にこのことを相談することができ、精神科に通院、人事の方を通して休職をすることになりました。休職を決めたときも、正直僕の中では最後まで逃げてしまった、自分は弱い人間なんだという自責の念がぬぐえませんでした。

 

休職中、家で落ち着いて過ごす間に、僕自身の抱えていた自責の念が徐々に薄れていき、最終的には家族や友人にも打ち明けることが出来ました。今ではなぜあんなにも自分を追い込んでしまったのか、なぜあそこまで死ぬ間際のような思いをしながらも逃げることが出来なかったのか不思議で仕方がありません。確かに今でもたまに自分の中で重く受け止めすぎていると感じること、プレッシャーで寝れなくなることはありますが、あのときより上手く自分のことをコントロールできるようになっていますし、何よりもあの時本当に苦しんだ弱くなることが今の僕には出来るので、あの時のようにはならないと感じられるようになりました。

 

この経験を通じて、本当に追い詰められた人間がどんなことを感じるのか、どんなことを考えてしまうのかわかりました。悪意のある言葉は当然ですが、何気ない一言でも、その人の行く手を阻んでしまうこと、誰かの優しさに簡単に甘えられないこと、そして自ら命を絶ってしまうということにその人の強さは関係がないこと。そんなことを身をもってわからせてくれた経験でした。

だからこそ、このことを多くの人に知ってほしいですし、誹謗中傷のような悪意の拷問は絶対にやめてほしいです。そして欲を言えば、小さなサインをみんなで気付いてあげられる、自分から口に出さなくても周りが積極的なサポートが出来る社会になってほしいと本気で思っています。

僕には今こうした記事を書くことしかできませんが、この思いが多くの人に届いたら嬉しいです。

 

次回はこの経験から僕自身が他の人と接するときに気を付けるようになったことについて書きたいと思います。

 

今回も記事を読んでいただきありがとうございました。

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